【中学生恋愛記】少しの勇気から生まれる一生の思い出
投稿日: 2017年01月22日
最終更新日: 2017年01月22日
憧れの人、それだけで終わりたくない
自分にとっての憧れの人。
誰にだって一度はそんな特別な存在がいたことがあるのではないでしょうか。
私の遠い昔の話から、今でもはっきりと残る温かい記憶をご紹介致します。
私の中学生時代。スーパースターって思えるような学年でも目立った存在っていますよね。
部活での成績も優秀で、明るい笑顔に優しい人あたり。みんなの人気者。
学生生活の3年間で1年生の時と3年生の時に同じクラスになりました。
特別仲が良かったわけでもなく、挨拶や軽い話をたまにグループでする程度の仲。
3年間完全な片想いってやつですね。告白?気まずくなったら全てが終了でしょ?むりムリ無理で月日が経ち、卒業式が迫ってきていました。
この3年間の想い、このままでは良い思い出ではなく後悔になるのでは?そう頭では考えつつも視界に彼が入ると絶対ムリって心が叫ぶ日々が続きました。
言う気?言う気?勇気!
当たって砕けろ。砕けたいわけないでしょ!
そんな問答が自分の心の中で日々ループしながら、どうにか砕けずに少しは自分が納得できるような結果を出せないだろうか。
考えに考え、精一杯の決断。卒業式を目前に控え、彼が1人になる瞬間を遠巻きながら意識していました。
下校のとき偶然にも1人の瞬間を発見し、私は息するのも忘れるような緊張感を必死に抑えて彼の前に飛び出しました。
彼は普段と変わらない、いちクラスメイトを見る表情。私は精一杯の勇気で『もしも余ったら…。卒業式のとき、制服のボタンくださいっ』それだけ言って、走って帰りました。
彼の表情?見る勇気もなく走りました。はぁ青春ですね。
そして迎えた卒業式の日。
やっぱりスーパースター
卒業式を終えて友達と写真をとったり先生達に挨拶しに行ったり、部活の後輩から花束や色紙をもらったり、彼も私もそれぞれの時間が流れていました。
私の中では友達と卒業に浸りながらも、彼に伝えた3年間の総仕上げの想いの行方が頭から離れませんでした。
時間はあっという間に過ぎ、すでに帰省し始めてる生徒も多数いて、私はそのアクションを起こしたことを友達にも話していなかったので、友達と過ごしながらも必死に彼を目で探し続けていました。
諦めかけて帰ろうとした瞬間、彼が視界に飛び込んできました。
部活の仲間や後輩、ファンとも言えるような女子達に囲まれていました。
彼には制服のボタン以前にブレザーすら残っておらず、ブレザーをゲットしたと思われる後輩がキャーキャー黄色い声をあげていました。
終わった。やっぱりスーパースターだった。
だけど何も言えないで後悔するよりも、言えたことでスッキリした気持ちが自分の中に漂っていました。
3年間の想い、未来へ
良い学生生活だったよね。友達と話しながら校舎を出るとき、名前を呼ばれ振り返ると彼がこっちに向かって走ってきました。
彼は私に手を差し出し、その手のひらからは彼の温もりが残った制服のボタンが私に手渡されました。
『ありがとう』
一瞬の出来事にその言葉しか出ず、彼は笑顔で
『これからもお互い頑張ろうな』
と言い、また仲間の元へ走っていきました。
えーーーっ!っと周りで騒ぐ私の友達の声はあまり耳に入らず、私はその場で無に等しい感情の中でただただボタンを強く握りしめていました。
その後お互い部活目的で片道1時間半近くかかる別の高校へ進学しましたが、偶然にも方向が同じで電車通学をグループで3年間一緒に登下校するようになり、高校も卒業から15年近く経った今はお互い別の人と結婚しましたが、仲の良い関係は続いています。
高校のときに何も無かったのかって?ふふふ。それはまた別の機会があればお話いたしましょう。
勇気が人生を色鮮やかにしてくれる。今でも色褪せない私の大切な想い出です。
読んで下さってどうもありがとうございました。